フランダースの犬の舞台、アントワープ。
アントワープを訪れる前日、レストランで意気投合したベルギー人家族に、「フランダースの犬」の話題を振ると、何のことかまったく分からないという状況。
「ほら。あの、アントワープのカテドラルで、クリスマスにネロとパトラッシュが死んでしまう話」と詳しく説明するも、何のことやら、ますます不明。
ガイドブックを見せ、ネロとパトラッシュの銅像まで見せたけれど、やっぱり埒が明きません。
「そのLittele GuyとDogのことは知らないけれど、アントワープ、楽しんできてね。カテドラルは素敵よ」と別れの挨拶。
この人たちだけが知らないんじゃないか。との疑念を抱きながら、いざアントワープへ。
カテドラルの中で、この謎を解き明かすDVDを発見。
早速見てみると。。。
このお話、実は、イギリス人の女性が書いた話。
ハリウッド映画に何度かなっているようで、そこから日本に伝わったとのこと。
でも、このお話のエンディング。ハリウッド映画では、原作どおりの悲しいバージョンもありますが、ハリウッド映画独自のハッピーエンドバージョンもあるとのこと。
つまり、ネロは死なず、絵のコンクールで優勝。パトラッシュとも教会で再会。
でも、これって、フランダースの犬じゃなくなってますよね。
で、なぜ、ベルギー人に受け入れられていないかというと、
この舞台が、フランダースらしくないとのこと。
ハリウッド映画も、NY郊外で撮られたようですし、
日本のアニメも、どうもオランダの景色になってしまっているとのこと。
しかも、アロアの服装も、オランダ風。
フランダースの人からすれば、受け入れがたいのも納得。
日本が舞台とされている話で、中国風のものが出てくるということですね。納得です。
というわけで、一旦は、ベルギーで報道されたこともあるようですが、その後、この話がベルギーで広まることはなかったようです。
とはいっても、大勢の日本人が、フランダースの犬をもとめてアントワープに訪ねてくるということで、ネロとパトラッシュの銅像が、ホーボーケンという街(ネロがおじいさんと暮らしていた場所)に立てられたようですが、この銅像、ちっともネロとパトラッシュに似ていないんです。
ネロは悲しそうな顔をしているし、パトラッシュは小さめだし。
訪れる日本人もがっかり。という状況。
結論としては、今後も恐らくベルギー人の間で受け入れられることはなさそうということ。
アニメ化するときは、きちんと舞台・背景設定しないとダメですね。
でも、カテドラルのルーベンスの絵は、ネロが感じた興奮と同じく、私を興奮させてくれました。
そして、もうひとつ、ミニ知識。
ルーベンスの絵の中に、実はワンコが描かれているんですが、このワンコ、ルーベンスの飼い犬を模しているとのこと。
そして、その名前が、パトラッシュだったそうです。
☆Ginママ様へ☆
返信削除「フランダースの犬」の謎を公開下さり、ありがとうございます。
詳しく説明して頂き、なるほどっと、納得しちゃいました。
アントワープでこのお話が有名じゃない理由がわかりました。
ベルギーって、結構化学工業関係の設備が多くって、ヨーロッパの中ではちょっと味気ない国みたいに感じていました。
でも、大聖堂に飾られたルーベンスが描いた絵画「キリストの昇架」の中のワンコが『パトラッシュ』だったのを知って、ちょっと身近に感じました。
パトラッシュって、ボーダーコリーっぽい犬種なんですね。
やっぱり、ワンコは大切な大切な家族ですね。
そうなんです。ベルギー、特にアントワープは、完全に工業都市。あのアニメのような田園風景なんてないんです。
返信削除私たちもがっかりしました。
でも、ベルギー、お食事は、食べやすくて美味しくて、平均的レベルが高い。
はずれが殆どなく、私は結構お気に入りの国になりました。
日本に帰ったら、DVDお貸ししますね。